こんにちは、西アフリカのベナンでボランティアをしているだいちです。
今回は、協力隊仲間にベナンの漁港を案内してもらったので、それを記事にしたいと思います。
案内してくれたのは彼、ひろしくんです。

ビジネスに興味があり、普段からインプットを欠かさず努力している姿勢に、私自身とても刺激をもらっている好青年です。
(あと、彼女がめっちゃかわいいw)
コトヌー港について
今回訪問したコトヌー港は、ベナン最大の都市であり経済の中心地であるコトヌーにある、ベナン唯一の漁港です。
この漁港、日本政府の支援が入っていて、漁港全体の整備や機材などの設備も供与されたそう。
漁港内は、漁師さんや仲買人女性、モーターの整備士が働き、彼らを対象に食べ物や飲み物、日用品を売る人も訪れていて、かなり活気がありました。
まず訪れたのが、ひろしくんのオフィス。
手書きのポスターがいっぱい貼ってあって、日々がんばって活動している姿が想像できます。



次に案内してもらったのが製氷機。
ここで作られる氷を港内だけでなく外から氷を求めて買いに来る人たちもいるようで、
漁港を管理する、水産局資源管理部(ひろしくんの配属先)の最大の収入源になっているそう。


26分毎に氷が作られるんだって~~。
次に船着場エリアへ
海はきれいとは言えないけど、夕方にはここでみんな水浴びしているそうです。



漁が終わった漁師さんたちが網のメンテナンス。

日帰りの時もあれば、長い時は5日間も漁に出っぱなし、という時もあるそうです。
そして、1次の魚屋さんが、他の魚屋さんに魚を売るエリアへ。
訪問時は午後だったので、販売は行われておらず、漁師さんたちが休んでいました。

様々な種類の魚介類が水揚げされているが、全体的に供給不足になっていて、取り合いになることも多いとのとこ。
サバ、マグロ、トビウオ、カマス、ヒラアジなどが水揚げされるそうで、写真にあるようにカニ、伊勢エビ、イカ、エイ、カジキ、サメなども採れるようです。



魚をゲットできるかどうかは、漁師さんとのコネクションがあるかどうか。
よって、親戚やそれに近い人が魚を次々に買っていくようです。
なので競りが行われているわけではないので、そういう意味でいうと新規参入がとても難しそう。
午前中にはかなりけっこう活気があるようです。

さらに、市場エリアへ移動。
ここで仲買人たちが魚を一般に向けて販売しています。
みんなそれぞれ冷凍庫(電気はつながってない)を持っていて、上記の製氷機から氷を調達、魚を保管しています。
魚を下処理も行っていたり、そこで調理したものも販売しています。



最後に港の一番奥にある女性グループが運営している託児所を訪問。女性グループのリーダーとひろしくん。

託児所については後程詳しく。
コトヌー港のここがスゴイ!!
①人が多い

やっぱり大都会コトヌーにある港ということで、人が多いです。
普段、ムラで活動している隊員としては、正直少し疲れました。
でも、ここで生計を立て、子供を育て、仲間とともに生きている彼らの姿を見てとれました。
さらに驚いたというか感心したのが、目が合う人みんなに挨拶をしているひろしくん。
彼の報告書にも毎朝一時間かけてあいさつ回りをしていると書いてありましたが、
本当にその通り、きちんと笑顔で挨拶をして、信頼関係を築いている様子がうかがえました。
20歳のころアフリカで生活をして、そこから10数年アフリカに片思いし、
やっと2度目のアフリカでの生活を手に入れた私。
自称アフリカ大好き芸人ですが、最近はあそこまでしてなかったな~と。
だって、疲れちゃうんだもんw
腹立つことも多いしw
また別の機会に書こうと思いますが、アフリカ大好きと言いまくっていた学生時代と、
立場も違ってこれから経営者としてここに生きていこうとしている自分は、
アフリカに対する付き合い方や向き合い方が変わったな~と感じます。
それはいい意味でも悪い意味でも。
いずれにせよ、現地の方々に真摯に丁寧に向き合っているひろしくんには大変いい刺激をもらいました。
②港に託児所がある

女性仲買組合が管理する「女性の家」は託児所などに使用されるために建設されたが、
飲料を販売するスペースとして利用されるに留まっていたそうです。
しかし、子供を連れてきて働く女性は多く、現場からも支援した日本政府側からも、託児所としての再開を切望されていたそう。
そこをひろしくんが、この施設を本来の託児所として利用できるよう、ゼロからの立ち上げを推進しました。
利用者の調査から、託児所の保育士の確保、さらに持続可能な運営をしていくための資金の流れを形成するなど。
問題は山積みだったと思いますが、それを託児所の開設まで持って行った彼の実行力はすごいの一言です。
彼がいなかったら、この託児所は開設されなかったでしょう。
これが、私がいつも言っているボランティアの醍醐味だと思います。
協力隊の意義はいろいろ議論されるけど。。。
自分がここにいなかったら、もしくは自分が行動を起こしていなかったら
何も変わらなかったであろう目の前の現実が、
自分の少しずつ積み重ねによって、
変化を感じる瞬間がある。
これぞ、ボランティアの醍醐味だと思う
— 綿貫大地 in ベナン (@daichiwatanuki) March 20, 2019
③オフィスにエアコンがある!!

すいません、最後オチみたいにしてw
平静を装っておりましたが、正直かなり衝撃を受けましたw
オフィスにエアコンがあるんだ~と。
うちのオフィスには電気すら通ってないし、何なら自分は鍵ももらってないし。。
まあ、畑という現場が自分の働く場所だと思っているし、オフィスには仕事はないのでいいんですけどね。。。
赴任当初、調整員さんから言われた言葉、
『協力隊は不公平、そのことは受け入れなきゃいけない』
協力隊だけじゃありませんよね。
ビルゲイツが言っているように、世の中不公平なんです。
協力隊の中でも、先進国か?と思えるほどの環境で暮らしている隊員もいますし、
同じ国の中でも都会隊員とムラ隊員のように明らかな環境の差がある。
でもさ、どっちも得るものもあれば、得られないものもあるんですよね。
よく田舎すぎて何もできないと嘆いている隊員もいますが、
その何もできないような環境で生活できてるじゃん!と。
そんな体験、一生できないよ!と。
大事なのは、悲観して終わることなく、その与えられた環境の中で、相手が何を求めているのか、そして自分に何ができるのか、
考え抜くこと。
その何もない環境の中で、一見すると何も成果を残せなかったとしても、
その2年間現地のためにもがき続けた隊員と、
そうでなく環境のせいにしてあきらめってしまった隊員では、
その後の人生に大きく影響すると思っています。
なんていうか、「2年間どうだった?」に対する答えの厚みが違うというか。
現地の環境やJICAなどの外部要因のせいにしても何も変わらないんですよね。
まずは自分が変わらなきゃ。
だからこそ、残り少ない隊員生活ですが、今できることを精一杯向き合いたいと思います。
当初こんなことを書くつもりなかったのですが、こんな感じの終わり方になってしまいましたw
ではまた~☆
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綿貫大地
1983年生まれ。千葉県成田市出身。
大学在学中にザンビアで半年間ボランティアをするNGOのプログラムに参加。
埼玉大学経済学部卒業後、サセックス大学開発学研究所(IDS)で開発学修士号取得。
大手商用車メーカーにて3年半勤務したのち、大阪の化学メーカーに2年半勤務。
2017年10月から2019年9月まで西アフリカのベナンで、青年海外協力隊隊員として活動。
JICA SHEPプロジェクトを用い、野菜農家グループの収入向上に貢献。
2019年10月からベナンの飲食店経営に従事し、現在はベナンの農業関連会社の起業準備中。
”だれもが志を持って生ける世界の創造”というビジョンを胸に日々活動中。
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