はい、どうも~、だいちです。
2017年10月から2年間、西アフリカのベナンでJICA海外協力隊員として活動していました。
その時のメインの活動の一つが、SHEPアプローチという手法を使った
農家の収入向上のプロジェクトです。
そもそもSHEPアプローチって何?という方は是非下の記事を見てみてください。
SHEPアプローチのステップをもう一度復習しておきます。

- 参加型ベースライン調査:農家自身による現在の収支状況を計算し認識
- 農家による市場調査:農家自身が市場に赴き、アンケートを実施し市場での情報を入手
- 対象作物と栽培時期の選定:農家自身が対象作物とその栽培時期を選定
- アクションプラン策定と実行:アクションプランを作成と技術的アドバイスをもらって栽培
第2ステップの”市場調査の実践”は下記記事で紹介しています。
よって今回は第3ステップについて書いていこうと思います。
市場調査の結果をメンバー内で共有
市場調査を終えた野菜農家グループのメンバーが、
調査結果を模造紙に書き出し、
それをメンバー全員でシェアしました。


作物ごとの時期による価格推移や
どういった品質のものが求められるているのか、などを共有。
例えばこんな感じ。
価格(cfa) | 時期(月) | |||||||
作物 | 求められる品質 | 単位 | 高 | 中 | 低 | 高 | 中 | 低 |
キュウリ | 大きくて薄い緑のもの | 1カゴ | 1500 | 2000 | 3500 | 5~10 | 11~1 | 2~4 |
対象作物と栽培時期の選定
いよいよ下記第1&2ステップの情報を踏まえて、各メンバーが栽培計画を立てます。
- 参加型ベースライン調査で判明した各作物の利益
- 市場調査で判明した時期によって異なる各作物の価格と市場のニーズ
収支計算してみると利益が僅少(もしくはマイナス)の野菜があったり、
時期によってかなりの価格差がある作物があることが市場調査でわかったり。
そこに自分自身のスキルや経験を踏まえて、一人一人が栽培計画を立てます。

農家さんの新たな栽培計画をまとめるとこのようになりました。


*現地野菜は現地語のまま記載
比較的栽培が簡単で始めたが収支計算してみると利益が僅少だった作物は、
栽培をやめるか量を減らすメンバーが多く、予想以上に乾季に価格が跳ね上がる
作物の栽培量を増やすメンバーも多かったです。
また、全体的に価格が高くなる乾季に栽培時期を移行するメンバーが多かったのも
全体的な傾向の一つでした。
まとめ
これまでも、乾季の方が価格が高いな~とか、この作物の本当に儲け出てるのか~とか、
彼らの頭の中に何とな~くあったと思います。
ですが、SHEPアプローチの第1、第2ステップでそれらをメンバー自身で
計算&調査してみることで、それらを明確にできました。
そして、この第3ステップでも、(援助側の誰かに言われるままではなく)
農家さん自身が売るための栽培計画を立てました。
この農家さん自身と売るためというのがものすごく大事で、
まさにSHEPアプローチの肝なのです。
これらによって、彼らの自律性もが促進され、目線が市場に向きます!
では、実際にこの栽培計画によって、彼らの収入は増えたのか?
次回の記事ではその結果とこのプロジェクトの新たな動きをお届けます!
では、また~
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綿貫大地
1983年生まれ。千葉県成田市出身。
大学在学中にザンビアで半年間ボランティアをするNGOのプログラムに参加。
埼玉大学経済学部卒業後、サセックス大学開発学研究所(IDS)で開発学修士号取得。
大手商用車メーカーにて3年半勤務したのち、大阪の化学メーカーに2年半勤務。
2017年10月から2019年9月まで西アフリカのベナンで、青年海外協力隊隊員として活動。
JICA SHEPプロジェクトを用い、野菜農家グループの収入向上に貢献。
2019年10月からベナンの飲食店経営に従事し、現在はベナンの農業関連会社の起業準備中。
”だれもが志を持って生ける世界の創造”というビジョンを胸に日々活動中。
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