今回は体験談シリーズ第5弾です!
先輩隊員たつさんの誕生日ということで、彼の生徒が企画してくれたこのイベント?『豚の丸焼きを食べよう』にお邪魔しました。(イベント名は適当につけちゃいましたw)
- タイトルでは“丸焼き”と書いていますが、皆様が想像する丸焼きを実際にしたわけではありません
- ただ屠殺⇒血抜き⇒皮剥ぎ⇒解体⇒洗浄⇒調理を体験しました(厳密に言うと、作業を見守ってましたw)
- 内臓や骨などの写真を載せるので、そういうのが苦手な方は見ない方がいいです
いただきます
「いつも食べる前に何か言ってるけど、どういう意味なの?」外国人の友人から言われて、改めていただきますという言葉を調べた経験があります。”いただきます”を改めて調べてみると。
- 食事に携わってくれた方々への感謝です。料理を作ってくれた方、配膳をしてくれた方、野菜を作ってくれた方、魚を獲ってくれた方など、その食事に携わってくれた方々へ感謝のこころを表しています。
- 食材への感謝です。肉や魚はもちろんのこと、野菜や果物にも命があると考え、「○○の命を私の命にさせていただきます」とそれぞれの食材に感謝しており、こちらが本意だと言われています。
私の命にさせていただきます。重い言葉ですね。。。今回の経験で言葉の重みが一層増したような気がします。
それでは順を追って紹介していきます。
屠殺&血抜き
写真では伝わらないのですが、豚さんもまるでこれから起こることがわかっているように、鳴き声がすごい。鳴き声というか悲鳴ですね。ベナン人は全く躊躇なく、終始手際よく作業してました。本当にたくましい。喉にナイフを刺して血抜きをします。血が出ている間も鳴き声は止みません。



血抜きは生きている間に行います。後で調べてわかったのですが、血を残らず取るためだそうです。
あまりの光景に、自分もたつさんも食欲を失っていきました。
皮剥ぎ
豚さんがお亡くなりになられた後、皮剥ぎをしていきます。熱湯をかけて皮をひたすら剥いていきます。この作業にかなりの時間を費やします。細部まできれいに剥いでいくので、完了するまで1時間半から2時間ぐらいかな。



解体
まずは解体前にしかっり洗います。普通に洗剤で。そして、おなかから一気に切り裂いていきます。きれいに血抜きされている様子。完全に解体される状態になると、人間ふしぎなものでこれは“食べ物だ”という意識が芽生えてきます。






こちらの彼は内臓処理担当。小腸大腸からはいろいろなものがお目見え。。その中でも衝撃を受けたのが、写真ではアップしませんが寄生虫。やっぱりいるんだな~という思う一方で、自分もたつさんもこの日のうちで最も食欲が失せた瞬間でした。。。

調理
そんなか弱き日本男児の気持ちとは裏腹に、ベナンの屈強な若者たちの作業は続きます。しっかりと水で洗浄したのち、細かく切り刻み、コンソメと塩で味付け。それをいったん茹でます。
はい、この時は完全に“うまそう、食いたい!”ってなってました。最後に油で揚げて完成。(最終的に食する様子は、充電が切れて写真撮れませんでしたw)





朝の10時ごろから作業を開始して、最終的に食べたのが午後5時ごろだったかな。
殺される前の豚の鳴き声や、腸にたまっていた排せつ物の悪臭、そしてなんといっても寄生虫、、“食べる気なんか全くおきねー”と思わせる光景が何度もありましたが、そこからが人間のすごいところ。
いざ目の前に出されると(調理されているときから)、早く食べたい!という気持ちになります。写真はありませんが、実際の味もやわらかいお肉でとても美味しかったです。
こういった工程や食材があって初めて口にすることができるという感謝の気持ちと、こういった工程を小さい頃からまさに“生きていくために”してきたベナン人はやっぱりすごいな~と感じた一日でした。
最後まで読んでくださった方、本日の晩御飯のいただきますの前に一瞬でも、いただきますの意味を思い出してくださったら嬉しい限りです。
それでは☆
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綿貫大地
1983年生まれ。千葉県成田市出身。
大学在学中にザンビアで半年間ボランティアをするNGOのプログラムに参加。
埼玉大学経済学部卒業後、サセックス大学開発学研究所(IDS)で開発学修士号取得。
大手商用車メーカーにて3年半勤務したのち、大阪の化学メーカーに2年半勤務。
2017年10月から2019年9月まで西アフリカのベナンで、青年海外協力隊隊員として活動。
JICA SHEPプロジェクトを用い、野菜農家グループの収入向上に貢献。
2019年10月からベナンの飲食店経営に従事し、現在はベナンの農業関連会社の起業準備中。
”だれもが志を持って生ける世界の創造”というビジョンを胸に日々活動中。
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