ベナンに来てから約7か月経ちました。
今までお葬式に5、6回参列していますが、それらすべてで得た知識と情報を総動員して書こうと思います。
ベナンではお葬式が多い。感覚的には毎週末、町のどこかでお葬式があるといった感じ。どのお葬式も盛大で、一晩中盛り上がっているお葬式もあります。
お葬式準備
ベナンでのお葬式は一言でいえば、”賑やか”。しかし、その日のために親族は相当の準備が必要です。
・布販売
親族や親しい友人は、お揃いの柄の布をそれぞれ仕立てて、お葬式当日に着ます。でもこれはマストじゃないようで、みんな各々の柄のベナン服を着ているお葬式もありました。

みんなお揃い
あるお葬式に誘われたときのこと。
「今手元にお金ないから布買えないわ~」と言ったところ、ヨボ(現地語で白人のこと)が嘘つくなよ~とブーイングの中、「そんなこと問題じゃない、おまえが参列することが重要なんだ」って言ってくれた人がいてすごくうれしかった。(良いこと言ってくれるな~って感動してお酒一杯おごっちゃったじゃんかよ~w)
ちなみにベナン服を作ったときの記事は…
・お葬式当日のための手配
ざっと上げても、お酒、食事、お葬式で配るプレゼント(ボールペンや洗面器、Tシャツ、マグカップなど)、会場設営準備(テントやテーブル椅子)、そしてDJや音楽隊の手配など、本当に大変です。
この準備に時間がかかるために、多くのお葬式は故人が亡くなられてから1か月後ぐらいが多いようです。
費用もかなりかかるようで、この時のために貯金を全部つぎ込んだり、時には借金までして葬儀を営む人もいるようです。

この会場も当日までに準備

写真入り洗面器
・招待状配布
これも規模によりますが、大体100から200枚ぐらい配るようです。日本みたいな郵便システムはもちろんないから手配りね。故人の簡単な経歴とお葬式の日時が記載してあります。

ハガキ大の招待状

3つ折りの招待状
お葬式前日
親族や親しい友人だけでお祈り(ミサ)があります。生前に面識のあった方のお葬式には参列したことがないので、これにはまだ出席したことはありません。
お葬式当日(当日のミサから埋葬まで)
まずは、ご遺体を運び出します(それまでは病院に安置されているそうです)。そして、ミサが始まります。
家の近くの広場を教会に見立てて行われることもあるし、教会で行われることもあります。
興味深いのが、参列者それぞれがカメラマンを雇っていること。各々の担当カメラマンが撮影しています。

ミサの様子

カメラマンがいっぱい
次に埋葬。お墓が遠くにあるときはここまでを別日でやることもあります。
最近参列したお葬式では、埋葬先がお墓ではなくて故人宅の地下。これも珍しいことではないようです。

棺搬送

故人宅へ搬送

参列者が最後のお別れ
お葬式当日(パーティー)
私はここだけ出席したことが一番多いです。だからお葬式といえば”賑やか”というイメージが強いのかも。
まず、座席に着く前にウェルカムドリンクをいただきます。ウェイスキーやラム、もちろんベナンの国民酒であるソダビもあります。ウェルカムドリンクと言ってもこれらは基本的に飲み放題で、2杯目からはウィスキーのソダビ割(どっちも40度ぐらい)とか飲まされるので、そりゃ酔うわw

会場入口

ウェルカムドリンク
そして、食事。ホワイトソースのシチュー+パンからのチキン+ごはんからのパット+魚、というパターンが多いかな~。これもお葬式によって多少の違いはありますね。この時、ビールとジュース1本ずつ配られます。

シチューとパン

チキンとライス
参列者は一通りの食事を終えたら、喪主にお金を手渡します。お香典ですね。

封筒に入れるのがマナー

さっと渡すのがマナー
あるお葬式で、喪主が親しい友人だったので最後まで残っていたら、ダンスタイムが始まりました。
ベナン人のようにうまくは踊れないけど、ザンビア時代に教えてもらったダンスの極意「ダンスなんて簡単さ、ただ腰を振りまくればいいのさ」という言葉を思い出し、私も踊りまくりました。この日は夜中に帰宅しましたが、まだ踊っている人もいましたねー。

みんなでダンス
一番最初に”賑やか”と書きましたが、こうしてみるとそれはほんの一部ですね。
40代男性のお葬式に参列したときが、一番きましたね。お墓に埋葬するとき、おそらく100人以上いた参列者みんな声を上げて泣いていた。普段いっつも明るくて笑顔のベナン人が涙を流してるところを見ると、きますね。。。
これも今まで見てこなかったベナン人の顔ですね。
ではでは~
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綿貫大地
1983年生まれ。千葉県成田市出身。
大学在学中にザンビアで半年間ボランティアをするNGOのプログラムに参加。
埼玉大学経済学部卒業後、サセックス大学開発学研究所(IDS)で開発学修士号取得。
大手商用車メーカーにて3年半勤務したのち、大阪の化学メーカーに2年半勤務。
2017年10月から2019年9月まで西アフリカのベナンで、青年海外協力隊隊員として活動。
JICA SHEPプロジェクトを用い、野菜農家グループの収入向上に貢献。
2019年10月からベナンの飲食店経営に従事し、現在はベナンの農業関連会社の起業準備中。
”だれもが志を持って生ける世界の創造”というビジョンを胸に日々活動中。
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